【眠りの精】オーレ・ルゲイエ
アンデルセン童話に「眠りの精のオーレおじさん」という話がある。
オーレは、ナイトキャップにカラフルに煌めく長い寝間着を身に着け、注射器と二本の傘を携えている。
オーレは、少量のミルクを目に注射する事で瞼を閉じさせ、首筋に息を吹きかけて子供を眠らせる。
"目に物を入れて眠らせる"という手法は砂男に似ているが、これはアンデルセンが砂男を親しんで読んでいたことから、インスピレーションを受けている可能性あり。
眠らせると、子供の頭上に傘を広げる。この時、傘に柄が入っていると良い夢を、何も描いていないと夢を見ることができない。
物語の中で、兄弟が出てくる。
兄弟の正体は、なんと死神。名前は同じくオーレ。軽騎兵の制服を着ており、上着に銀の刺繍と黒いビロードのマントを羽織っている。
眠りの神と死の神が兄弟という設定は、ギリシア神話のヒュプノス(眠りの神)とタナトス(死の神)と同様。
ただし話中に"オーレ・ルゲイエはローマ・ギリシアの人から夢の神と呼ばれている。"と記載がある。ギリシア神話では、眠りの神の子供に当たるのが夢の神であるから、整合性は取れなそうかな?ざんねん。
さて実際に読んでみると、子供が毎晩夢の中でオーレとともに奇想天外な冒険に出るような描写。
毎日同じ人が夢に出てくるのってどんな気分なんだろう。それこそ話中の子みたいに、オーレに会うために眠るみたいな気持ちになりそう。
夢ってなんであんなに面白いんだろう。起きちゃうとあんまり覚えてないんだけど、寝ている間は確実に見ているし、覚えてる。
あぁ、オーレおじさん来たかな。瞼が重い。
旅に出ますか。
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